• 2020年 4月 1日

消えた闘犬~現代の守備的MF~

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【狂犬!ガットゥーゾ】闘志に溢れる守備まとめ!   YouTube

ガットゥーソを代表とする守備的なミッドフィルダーの役割は、最終ラインの前においてボールを奪うというものでした。ご存知のようにテクニックに優れているとはとても言えない選手でしたが、運動量豊富に動き回り、激しくボールにプレッシャーをかけることでチームに貢献していました。当時のACミランにおいてはガットゥーソの存在は不可欠で、セードルフ、ピルロと形成する中盤は欧州最強とも言われていました。当時のミランは4-3-1-2でした。トップ下のカカはそれほど守備に参加するタイプではないため、中盤は3人で横に広い範囲を守る必要がありました。そういったチーム事情の中で中央から再度までの広い範囲をカバーするために動き回っていたのが、ガットゥーソです。ピルロという不世出の天才ゲームメイカーを生かすためにも、セードルフが攻撃参加して持ち味を発揮できたのも、後方で常にカバーリングを行っていたガットゥーソがいたからです。

 変化した守備的ミッドフィルダーの役割

ガットゥーソのような選手が居なくなった理由は、皮肉なことにピルロの存在が関係しています。

ガットゥーソが活躍していた当時は、守備のメカニズムを重視するセリエAが世界のトップリーグだったこともあり、チームは守備網から形成するのが一般的でした。極端な言い方をすれば、7-8人で形成される強力な守備ユニットを、ほとんどのチームが持っていたと言えます。攻撃に関しては、2-3人の前線の攻撃的ユニットを中心として行い、それに守備ユニットから攻撃に参加したプレイヤーが絡むという形が一般的でした。攻撃の起点となるのはバイタルエリアに存在するトップ下の選手が主だったため、ガットゥーソのような選手を置いてスペースを消して、キープレイヤーをつぶすということが重要でした。

しかしピルロのようなレジスタという概念が浸透し、ゲームメイクの起点は中盤の底に移りました。バイタルエリアをカバーするだけでは、相手のゲームプランをつぶすことが出来なくなり、守備専門のミッドフィルダーの価値が低下することになったのです。一人の守備的ミッドフィルダーがゲームに及ぼす影響は低下し、チーム全体でのプレッシングという概念が必要になってきたのです。

 闘犬の後継者

守備的ミッドフィルダーの立場が変わったからと言って、中盤の選手に守備力が求められなくなったわけではありません。バイタルエリアという危険なスペースを埋めるために、中盤の選手の守備は今まで以上に失点に直結するようになったといえます。プレミアリーグで昨シーズン後半にチェルシーが調子を上げたのは、マティッチの獲得と無関係ではありません。中盤でボールを奪う事が、失点を防ぐだけではなくカウンターの起点として攻撃にも貢献するようになっています。

レアルマドリードのケディラは高い守備力だけでなく、その運動能力を攻撃時にも生かすことで、前線に頻繁に顔を出しボールの中継地点として機能しています。マンチェスターシティのフェルナンジーニョとフェルナンドは守備力だけでなく、ボールコントロールとゲームメイクを行っています。ユベントスのビダルやローマのナインゴランのように、守備だけでなく前線に走り込んでフィニッシャーとして活躍する選手もいます。

サッカーにおいて攻守の分業が無くなっていく中で、守備的ミッドフィルダーの役割は大きく変わりました。ガットゥーソのような選手を見ることができなくなったことは少し寂しいですが、その自己犠牲の精神はピッチ上に受け継がれています。

※アイキャッチ画像、YouTubeはhttps://www.youtube.com/watch?v=Uy-6s0jBnkQより

 

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