• 2020年 4月 1日

ベンゼマという新しいスタイル

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ベンゼマという新しいスタイル

昨日の記事に引き続き、レアルマドリード(以下レアル)のBBCライン特集の第2弾、ベンゼマについて分析を行います。

現在チームと同じく絶好調なのがクリスチアーノ=ロナウド(以下ロナウド)ですが、そのロナウドの相棒として5年間の間共に戦ってきた選手がカリム=ベンゼマです。ベンゼマは長い間十分な評価を得ることが出来ていませんでした。ロナウドがゴールを量産するチームにおいて、最前線の格となるワントップでプレイしながら、ゴール数がそれほど多くなかったためです。しかし今ベンゼマの評価が急上昇しています。周りを生かすフォワードというベンゼマにしか出来ない役割が評価され始めているのです。他に類をみないベンゼマという選手の役割を分析します。

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9番としてのベンゼマの能力

ベンゼマは9番としての能力を十分以上に備えています。最大の特徴はスピードとボールを足元に収める力です。スピードに関しては、チーム内に規格外の選手が2人(ロナウドとベイル)いるために目立ちませんが、その2人と速攻を形成できるFWというのはめったにいるものではありません。またそのスピードを生かしてスペースに走り込む動きを得意としています。特にコース取りが素晴らしく、味方と上手く距離を取りながらディフェンスが守りにくいスペースへ走り込みます。

またそのスピードで移動しながら、ボールをしっかりとコントロールする技術を持っています。ダイレクトでのシュートでも、自分が次のプレイに移りやすい位置にボールを置くことも自由自在です。ゴール前の混戦の中でプレイしたり、全力で走りながらボールを受けることが多いため、ミスをしている印象が多いかもしれません。サイドのスペースでフリーの時や、ポストプレイの時のボールの扱いを見る限りはボールの扱いはレアルでもトップクラスのはずです。

当然フィニッシュの能力も高く、コースをついたシュートを得意としています。またそのスピードを生かしてスペースに走り込んでのヘディングも得意としており、長身ではありませんがゴール前の狭いスペースを陥れてヘディングでゴールすることも少なくありません。

ベンゼマにしかない能力

前述の通り、9番としても完璧に近い選手ですが、ベンゼマの最大の特徴はスペースメイクにあります。そしてこの能力が、長い間ベンゼマが世間から高い評価を受けることが出来なかった理由でもあります。

ベンゼマの作るスペースは大きく分けると3つです。1つはサイドに流れて中央のスペースを空けるプレイです。このプレイを行うフォワードは多く存在しますが、ベンゼマの場合はこの幅があまり広くありません。ペナルティエリアの幅程度で左右に動き回ることで、局所的に小さなスペースを作っています。完全にスペースを空けてしまうと、サイドでボールを受けることになり、ゴール前の相手にとって危険な位置から離れてしまうことになります。あくまで相手にとって危険な位置を離れずに、小さなスペースを生み出すように動くのがベンゼマのスタイルです。

ベンゼマが作るもう一つのスペースがバイタルエリアです。ベンゼマはチームの最前線の位置取りを殆ど崩しません。ペナルティエリア近辺にベンゼマが存在する事で、ディフェンスラインはベンゼマを基準に設定されます。ベンゼマのスピードを考えると、裏のスペースを広くするわけにはいかないからです。これによって相手の守備ラインをゴール前に下げるのです。チームメイトが前を向いてボールを持てるスペースを多く作るために、相手ディフェンスラインに対して、常に駆け引きを仕掛けています。現代サッカーで重要と言われるバイタルエリアを広くするため、ベンゼマの役割が重要なのです。

最後は非常に小さな話なのですが、ベンゼマがシュートコースを生み出しているという点です。ベンゼマは味方の逆サイドからゴール前に斜めに走り込む動きを行います。遠目からであればそのベンゼマにパスやクロスが出ることも多いのですが、至近距離であれば殆どベンゼマにパスは出ません。レアル程のチームであればそこは殆どの選手にとってシュートの射程距離だからです。それでもベンゼマはゴール前に走り込みます。この動きが非常に重要で、相手センターバックはベンゼマをケアする必要が出るためボールホルダーにプレッシャーをかけにいけない、あるいはコースを切れないのです。レアルがミドルレンジからのシュートによる得点が多いのは決して偶然ではなく、ゴール前にベンゼマがいることがシュートコースを生み出しているのです。

1.5トップのプレイヤー

ベンゼマのプレイの大きな特徴は、前線で非常に多くの役割をこなしている事です。プリマブンタ(センターフォワード)と言われる基準点としての役割をこなしながら、セコンダプンタ(セカンドトップ)のようなスペースメイクやスペースを突く動きも行っています。

ワントップのフォワードとしてプレイしながら、味方が上がってくれば2トップのような動きをします。

まだベンゼマのような動きを定義する言葉はありませんが、1人2トップとでも言うようなプレイをしていますから、1.5トップと呼ぶのが良いのではないでしょうか。

レアルの試合を見るときには、ボールを持っていないベンゼマの動きに注目して下さい。いかに相手チームが手を焼いているか、その結果としてロナウドやベイル、ハメス=ロドリゲスなどが躍動しているかが分かるはずです。

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画像版権: / 123RF 写真素材

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One Comment

  1. レアルマドリードの若き天才イスコ | FCクロコダイル
    2015年3月29日 at 10:27 AM

    […] ベンゼマという新しいスタイル […]