今回は絶好調のレアルマドリードを特集した、ワールドサッカーキング2015.01のレビューです。レアルの特集はつい最近もあったように思いますが、現在連勝を続けているエル・ブランコの状況をみれば、再び特集を組まざるを得なかったのではないでしょうか。インタビューではレアルの選手以外に、何故か元ブラジル代表のロナウド、テベス、ドゥンガと南米の注目選手や監督の言葉が読めます。今シーズンの前半戦の主役ともいえるレアルの事を知るには、非常に良い1冊なのではないでしょうか。
ディ・マリアとシャビアロンソの穴は埋まったのか
今シーズンのレアルを語る上で、決して外すことが出来ないのがこのテーマではないでしょうか。昨シーズン、デシマ(10度目のチャンピオンズリーグ制覇)を果たしておきながら、チームの中心選手であるディ=マリアとシャビ=アロンソを放出したレアルですが、その穴は埋まったと言えるのでしょうか。
結論から言えば、分からないというのが現状です。シャビ=アロンソのポジションにはクロースが入っており、ディ=マリアの代わりにはハメスロドリゲスが入っています。守備力は大きく落としているはずなのですが、圧倒的な攻撃力で勝ち進んでいるのが現状です。
落ちた守備力が問題になっていないのか、圧倒的な攻撃力の前に問題が露見していないのかは不明です。記事では、年明けのアトレティコとのコパデルレイから新チームの真価が問われるのではないかと書かれています。
カルロの銀河系操縦術
もう少しスペースを割いて特集してほしい題材です。何故アンチェロッティがこれほどレアルマドリードで成功できたのかというのは、世界中のファンが知りたい事ではないでしょうか。
記事の中ではコミュニケーション能力とマネジメント能力が取り上げられています。また、難題である様々な選手を使わなければいけないという制約を、どのように乗り越えてきたのかも述べられています。
アンチェロッティと言えばピルロをレジスタに、セードルフをインサイドハーフにコンバートした監督です。昨シーズンのレアルでは、ディ=マリアをインサイドハーフに、ベイルを右サイドにコンバートしています。できれば特集の中で、どうやってコンバートを選手に納得させているのか、何故選手の隠れた適性を見抜くことができるのかについても言及をしてほしかったと思います。
不完全燃焼ではありますが、アンチェロッティという稀代の監督を知る上では、非常によい、面白い記事ではないでしょうか。
CロナウドVSベイル 2枚看板のライバル関係
やや無理がある特集ではあるものの、ベイルが今後どうなるのかという事を考えるうえで、1つの意見としては読む価値のある特集ではないかと思います。
ポジション的にも、成績的にもロナウドの後塵を拝しているベイルが、今後レアルマドリードの中でどのような立場になっていくのかは、ベイルのファンならずとも気になるところです。ライバル関係というのは言い過ぎだとは思いますが、ベイル自身もいつかロナウドを超えるという思いがあるはずです。
個人的には時間がたつ中でベイルがより幅広くチームに貢献できるようになっていくのではないかと考えていますし、それを望んでいます。例えばインサイドハーフとして、あるいは4-4-2の左ウィングとしてです。
どうでもいいですが、ロナウドとベイルの至福の比較は非常に面白かったです。ピッチ上ではどちらも派手ですが、私生活はセレブなロナウドと牧歌的なベイルと対照的なようです。そういう意味では、好対照で相性は良いのではないかと思えてきます。
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