• 2017年 12月 12日

サッカー戦術紹介~偽9番とその活用~

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サッカー戦術紹介~偽9番とその活用~

21世紀に生まれた新たな戦術が、偽9番です。ルチアーノ=スパレッティ率いるローマで、フランチェスコ=トッティが体現したゼロトップがその始まりと言えるでしょう。その後、偽9番はさらに進化しジュゼッペ=ヴァルディオラ(グァルディオラ)率いるバルセロナで、リオネル=メッシがその超人的な能力を持って、新たなレベルに押し上げたと言えるでしょう。偽9番を理解する事が、現代のサッカーを知ることに繋がります。偽9番の役割と2パターンの活用方法、さらには何故偽9番を使っているチームが少ないのかまで、偽9番を徹底的に分析します。

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9番・偽9番とは

偽9番を知るためには、先ず9番とは何かを知らなければいけません。この9番というのは背番号になんとなく割り振られた役割から来ています。9番の選手というのは点を取る選手、すなわちセンターフォワードを指します。最前線である相手ゴール前にポジションを取り、得点する事が役割になります。相手とのマッチアップで考えれば、相手センターバックと対峙し、それを突破してゴールを決めるのが9番の仕事です。現役で代表的な9番と言えば、ファンベルシー、ファルカオ、ジエゴ=ロペス、レバンドフスキ、ジェコ、イグアインなどが挙げられます。いずれ劣らぬ点取り屋と言えるでしょう。

では偽9番とはどのような役割をする選手なのでしょうか。偽9番の大前提は、9番と同じ役割が可能であるという点があります。偽9番という名前からは9番でないような印象を受けますが、9番と同じように、得点能力に長けていることが必要です。その役割に加えて、ゴールから離れた位置に移動し、自分よりも前線にいる味方プレイヤーに対してパスを供給する役割も担うのが偽9番です。

偽9番の戦術上のメリットは、相手センターバックの守備ブロックを崩すことにあります。センターバックは相手のゴールに一番近い位置にいるディフェンダーです。ふつうの9番はゴール向かう動きをするのですが、偽9番はゴールから離れていきます。センターバックがついていかなければ、得点力と展開力のある偽9番をフリーにしてしまいます。センターバックがついていけば、ディフェンスラインに穴をあけることになります。相手センターバックにこのような難しい対応を迫ることが、偽9番のメリットと言えます。

偽9番の二つのパターン

偽9番を活かすパターンは2つあります。4-2-3-1と4-3-3です。4-2-3-1はゼロトップとも言われる形で、ワントップの位置に偽9番が入ります。偽9番にボールを入れて、2列目の3人が偽9番を追い越すことで、ディフェンスラインを攪乱します。偽9番はそれに合わせてスルーパスを出したり、コンビネーションから突破を図ります。この場合は、偽9番がゴールから遠ざかったとしても、センターバックはディフェンスラインを上げることで、偽9番についていくことが出来ます。しかしそうした場合、センターバックの背後には広いスペースが出来るため、そこに2列目の選手が飛び出していき、そこを狙って偽9番はスルーパスを出す事が出来ます。偽9番はついてきたセンターバックを背負ってもポストプレイが出来るだけのキープ力が求められます。

4-3-3の場合は、フラット3トップとでも言う形を取ります。相手のディフェンスラインに沿うように、3トップの選手が配置されます。3トップの真ん中の選手、つまり偽9番がゴールから離れたとしても、ディフェンスは両サイドの選手に対応するためにラインを上げることが出来ません。センターバックがついてこれなくなるため偽9番がフリーになるのです。バルセロナのメッシが多用するこの動きを封じるために、リーガでは昨シーズン5バックを用いるチームがありました。5バックならセンターバックの1人がメッシについていったとしても、4バックの状態を維持できるからです。

4-2-3-1の偽9番の代表格がローマのトッティ、4-3-3の偽9番の代表格がバルセロナのメッシと言えるでしょう。またPSGのイブラヒモビッチ4-3-3の偽9番ですが、チームが引いた時には4-2-3-1のゼロトップタイプの偽9番としての役割を果たすことが出来ます。

何故偽9番は少ないのか

偽9番があまり存在しない理由は簡単です。得点力と展開力を兼備した選手はそもそもあまり存在しないからです。偽9番的な動きをする選手やチームは増えてきましたが、本当の偽9番というよりは、テクニカルなFWを配置しているだけというケースが多いように思います。

例えば、ミランのメネズは偽9番の役割を担う場合がありますが、メネズの得点力は十分ではないため、基本戦略として定着するには至っていません。ミランの選手で考えると、やや小粒である感は否めませんが、ポストプレイの強さを考えると本田の方が偽9番向きかもしれません。実際南アフリカWCの時は、本田の動きは偽9番と言っても良いものでした。

現役で偽9番に対応できそうな選手は、ネイマール、ゲッツェぐらいです。あとはチーム事情であり得ませんが、可能性があるならカッサーノとヨベティッチでしょうか。引退した選手であれば、バラックであれば良い偽9番になれたかもしれません。

偽9番というのは、それだけ限られた選手にしかできない特別なポジションと言えます。

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画像は2011年スーパーカップ決勝戦、バルセロナVSレアル・マドリード戦のメッシ(版権: natursports / 123RF 写真素材)

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5 Comments

  1. サッカー戦術解説~インテンシティの意味とは~ | FCクロコダイル
    2015年2月15日 at 8:32 AM 返信

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  2. サッカーの「偽9番」ってどんなポジションなの? - 2chまとめ記事★
    2017年8月27日 at 3:36 AM 返信

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  3. サッカーの「偽9番」ってどんなポジションなの? | バナナはおやつに入りますか?
    2017年8月27日 at 7:48 AM 返信

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  4. サッカーの「偽9番」ってどんなポジションなの? | 俺がシャレにならない
    2017年8月27日 at 8:07 AM 返信

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  5. サッカーの「偽9番」ってどんなポジションなの? | Summary速報
    2017年8月27日 at 8:44 AM 返信

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