• 2017年 3月 27日

チェルシーに見る金満クラブの成功モデル

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チェルシーといえば、オイルマネーがうなる金満クラブというイメージも強いのではないでしょうか。確かにかつてのチェルシーは、当時では考えられない金額での移籍を数多く成立させた、新興勢力としての印象が強いチームでした。

FIFAはクラブチームが使うお金に対して制限をかける、ファイナンシャルフェアプレー(以下FFP)の制度を導入しましたが、そのきっかけの一つがチェルシーであるという点については異論はないかと思います。その中で今回FFPで注意を受けたのは、マンチェスターシティとパリサンジェルマンです。チェルシーは問題なしという結果でした。

今やチェルシーはプレミアのエリートチームの一つとして認識されています。お金を使ってチームを強くするという意味で、チェルシーは一つの成功例と言えるでしょう。その成功の要因を分析します。

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オイルマネーの失敗例

チェルシーの成功について語るのであれば、お金を使って失敗したチームも考えなければいけないでしょう。これに最適なチームというのはインテルミラノという事で、おそらく誰もが異論がないのではないでしょうか。

すでにオーナー権は手放していますが、モラッティ前会長といえば石油会社の社長で、さまざまな選手に大金を投じて補強したことで有名です。特に印象深いのは、ロナウド(ブラジル)とロベルト=バッジョの2トップを実現したものの、怪我で殆ど同時にプレイできなかったことです。また投資すれども優勝できずという、お金の使い方が下手なチームとして有名でした。

結果モラッティ会長政権下での初優勝は、カルチョポリ(八百長問題による一部チームの勝ち点剥奪)での繰上げ優勝まで時間がかかってしまいます。

失敗の要因は監督の変更が多かったことです。1995年の会長就任以来、3年以上続いた監督はロベルトマンチーニ(4年間4連覇)のみです。それ以外での最長はエクトル=クーペルの3シーズン目に途中解約となっています。

補強に会長が口を出しすぎたといわれていますが、チェルシーもそうだったように金満クラブのオーナーとはそうしたもので、インテルミラノに限ったことではありませんでした。極端な話オーナーの好みの補強と、監督の好みの補強を同時にすればチームとしては問題なく発展するケースも多いのです。

チェルシーも、モウリーニョの前にクラウディオ=ラニエリが3年以上チームを率いています。この時代にチームとしての基礎が築かれたと言えるでしょう。

ブランドの構築

チェルシーが他の金満クラブと大きく違った点は、好みのチームを作るというプロセスの前に、勝てるチームを作るというコンセプトが明確だった点があげられるでしょう。お金を出しているオーナーは、どうしても自分好みのチームを作ろうとする傾向があります。

チェルシーも現在はアブラモビッチがイメージする攻撃サッカーを実現するため、補強もチーム構成もポゼッションを意識したチーム作りを行っています。

しかしアブラモビッチの就任からしばらくの間は、堅守速攻を中心としたサッカーを展開していました。この当時も非常に多くの補強を行っていましたが、その内容は選手の価値以上の資金を投下して、望みの選手を獲得する手法でした。この間に勝つチームを作り上げ、勝てるチームであるからこそ望みの選手を獲得できるという好循環を作り上げました。

現在もチェルシーは非常に大きな金額を投資しますが、その価格は決して市場価格から大きく外れたものではなく、適正価格で優れたプレイヤーを獲得している印象です。

こういったチームのブランド力そのものを高めることこそが、金満クラブの成長モデルと言えるものなのです。現在はマンチェスターシティとパリサンジェルマンが、同様の方針に沿ってチーム作りを進めています。

ファイナンシャルフェアプレーの影響

FIFAは資金力のあるクラブが大量の資金を市場に投じることで、移籍金や給与のインフレを引き起こすことを懸念して、ファイナンシャルフェアプレー制度を導入しました。この制度が特徴的なのは、罰則規定が明確にあるということです。今年度はパリサンジェルマンとマンチェスターシティがその対象となりました。

チェルシーは今回対象にはなっていません。対象にならなかった理由としては、すでにブランドが確立されているため、必要以上に移籍金や給与を設定しなくても、良い選手を維持できているからといえます。すでに名門チームの仲間入りをしたとみても、異論がある人は殆どいないでしょう。

現在では選手を買うだけではなく、売却や育成のノウハウも十分に持っています。育成例でいえばクルトワやルカク、売却で印象深いのはデコやダヒド=ルイスでしょう。昔はお金を払ってばっかりだったのですが、今は選手の移籍からも収益を上げることが出来るという、理想的なチームマネジメントができています。

もっとも、アブラモビッチが会長になった当時のチェルシーはファイナンシャルフェアプレーに間違いなく引っかかるようなチーム作りをしていました。そう考えると、開拓者としてのメリットを十二分に享受したチームと考えることが出来るかもしれません。

(写真:チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督 版権: szirtesi / 123RF 写真素材

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