• 2019年 10月 19日

ボルシア・ドルトムントの低迷。一時はまさかの降格圏へ

(AD)                 

13574824_m

ドルトムントはここ数年、ブンデスリーガ、チャンピオンズリーグで強豪と言える活躍を見せてきました。ゲーゲンプレッシングと言われるハイプレス戦略を生み出し、ドイツの盟主バイエルンミュンヘンとしのぎを削ってきたドルトムントですが、今シーズンは様子が変わっています。10節終了時点での順位は、なんと降格圏の17位です。11節で辛くも勝利しましたが、本調子とは言えません。何故突然ドルトムントが低迷しているのか、どうすれば脱出する事ができるのか、現在のドルトムントの課題を分析し、今シーズンの戦いを予測します。

スポンサーリンク

怪我人と薄い選手層

ドルトムントが今シーズン低迷している最大の理由は、怪我人と選手層の薄さでしょう。怪我人の離脱に加えて、移籍してきた選手が多い関係で、昨シーズンまでの戦術を維持できていないというのが現状です。ロイス、ギュンドアン、ムヒタリアン、ベンダー、スポティッチ、ケール、グロスクロイツといった怪我のメンバーが戻ってきて、トップフォームを取り戻せば、勿論、現在の順位は脱出できるでしょう。

しかし、いくら怪我人が多いとはいえ、これほど低迷した背景には、2年連続でエースを引き抜かれたというチーム事情も関係しています。バイエルンからの攻撃と言ってよいと思いますが、ゲッツェとレバンドフスキが抜けた穴を埋められていないため、前線の再構築を余儀なくされています。

元々がチームの攻守におけるキーポイントが前線にあるチームです。攻撃における特徴は前線の素早いコンビネーションであり、守備においては前からのゲーゲンプレッシングが特徴と言えるチームで、前線のエースが次々と引き抜かれている事が致命傷になっています。そういう意味では選手層が薄いというよりは、薄くなってしまったと言えます。

ドルトムントの戦略は時代遅れになったのか

ドルトムントの戦略が研究されているという意見が見られますが、ドルトムントが実践していたサッカーは研究でどうにかなるようなサッカーではありません。どちらかというと、選手が不足している現在のドルトムントのサッカーが分析されたというべきでしょう。

前線の流動性が低下しており、ハイプレスもうまく機能していない現在のドルトムントを分析すれば、おのずと攻めるポイントは決まります。FWの裏へ抜ける動きとシュートをしっかりとケアする事で、失点のリスクは大きく減ります。今までのドルトムントであればボールを戻して、後ろから飛び込んでくるMFとのコンビネーションで崩すことができましたが、現在は一度FWにボールが渡った後、良いタイミングでボールが戻ってきません。

守備においては中途半端なゲーゲンプレッシングを突破すれば、もともと対人にそれほど強くない選手が多いチームであるため、カウンターに人数をかけることができれば、得点の可能性は高まります。

ドルトムントが戦術的に課題を抱えているとすれば、その高いインテンシティーでのハイプレスとコンビネーションを行うのに適した人員をそろえることが難しいという点でしょう。ハイプレスとコンビネーションを両立できる前線の選手自体が、それほど多いわけではなく、欧州全体を見回してもレバンドフスキやゲッツェに類するような選手がそれほどいません。例えばテベス、ジエゴ=コスタ、ルイス=ガルシア、等が引き抜けていれば状況は違っていたかもしれません。

 ドルトムントが強豪であり続けるためには

クロップ限界説も出ていますが、クロップを解任して強豪であり続けることは非常に難しいでしょう。ドルトムントが強豪になろうとするのであれば、そこにはチームとしてのアイデンティティが必要です。ハイプレスとコンビネーションという軸を定着させるためには、クロップ以上の適任は現状では見当たりません。

ドルトムントが強豪であり続けるためには、再び成長株の若手を取ってくることが必要です。そういう意味ではスカウティングにどれだけ力を入れて、若手への投資を行う事ができるかがカギになります。かつてのアーセナルのように、各国トップチームのユース選手などをうまく引き抜くことが出来れば、ドルトムントの前線に適した選手を育成できるかもしれません。

バイエルンがレアルマドリードだとすれば、経済面で劣る以上、ドルトムントはバルセロナを目指す必要があります。自分たちの哲学に沿った選手を育てて、その選手を主軸にチームを構成していくことが重要です。いう程簡単な事ではありませんが、バイエルンという特殊な存在がいるブンデスリーガでは、そういうやり方が必要なのではないでしょうか。

版権: blackosaka / 123RF 写真素材

スポンサーリンク