• 2017年 3月 27日

何故、優勝候補スペインは敗退したのか。そこから学ぶべきこと

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スペイン代表は何故予選で敗退したのか、世界中のアナリストがそれぞれに分析を述べています。デルボスケ監督はワールドカップとユーロを制した監督であり、チームもまたその基盤を残していました。予選敗退というショッキングな結果を生んだの原因を、直接的な原因のみではなく、それを引き起こした理由にも踏み込んで考えます。敗退をどのように受け入れ考えていくのかというのは、優勝チーム以外のすべてのチームにとって有意義な事なのではないでしょうか。

敗北の要因

世界がスペイン代表の敗退に衝撃を受け様々な識者がその敗北の原因について分析をおこないました。話を総合したところ下記の三つが言われています。

  1. コンディション不良:クラブチームでの戦いを通して、選手が疲弊していたこと。選手のハングリー精神が不足していたこと。
  2. ジエゴ=コスタの起用:チームにフィットしていないジエゴ=コスタの起用にこだわり続けたこと
  3. 各チームのスペイン対策:スペインの戦い方が有名になったため、対策が十分に行われていたこと

これらの要因が重なり合った中で、敗北という結果につながったことは間違いないでしょう。

上記の点だけをみれば、デルボスケ監督が無策で愚かだったように見えますが、WCとユーロを取った監督が愚かであるはずがありません。では何故このような、衝撃的な敗戦が起こってしまったのでしょう。

前回WCでの経験からくる慢心

スペインが配線した大きな要因の一つには、おそらく前回WCでの経験があったと思われます。南アフリカWCでスペインはグループリーグ初戦でスイスに敗退しています。有名なエピソードですが、この後監督と中心選手でミーティングを行ったのですが、出た結論は「何も変える必要はない」というものだったと言います。シュートチャンスも、ポゼッションも、スコア以外すべてスイスを上回っての結果だったため、今までの戦いを続けた方がよいという結論に至りました。

そうして自分たちのやり方を貫いた結果、WC優勝という偉業を成し遂げることに成功したのです。

このことは選手たちの記憶にも残っていたことでしょう。オランダ戦の敗戦の後、選手たちには次から勝てば優勝できるという、経験に基づいた判断があったはずです。ある意味で慢心と言えるようなその感情が、チームが次の試合に挑む準備の差となって表れてしまったのではないでしょうか。

一般に言われる、モチベーションの低下というのは4年に1度のワールドカップという大舞台ではあまり考えられないように思います。どちらかというと、危機感の欠如が招いた敗戦のように思われます。

優勝を狙っていたスペイン

もう一つ大きな点として指摘されるのが、アトレティコマドリーのCFジエゴ=コスタの起用にデルボスケがこだわった点です。ジエゴ=コスタではなく、偽の10番としてセスク=ファブレガスを起用したほうが良かったのではないかという意見が多いように思います。確かに、ジエゴ=コスタはチームと連動しているとは言い切れず、セスクを起用したほうがチームの力自体は発揮されたように思います。では何故、デルボスケはジエゴ=コスタを起用し続けたのでしょうか。

ここからは勝手な想像になりますが、デルボスケはスペイン代表のチームそのものに限界を感じていたのではないでしょうか。世界的にスペイン対策が一般化している中で、決勝リーグで勝ち抜くためには、セスクのゼロトップでは不足していると感じていたのではないかと思われます。事実コンフェデレーションズカップでは、ブラジルに敗退しています。

WCで勝ち抜くためには、ジエゴ=コスタがチームにフィットして、今までのチームにプラスアルファを付け加える必要があるという方針であったと考えると、あれほどまでに起用に固執した理由が分かってきます。デルボスケとしては、グループリーグ中に連携を高めて、決勝リーグでの戦いを迎えるというのが、可能な限りのベストなシナリオだったのではないでしょうか。ジエゴ=コスタの起用は勝つための奇策で、スペインは奇策を必要とするところまで追い込まれていたということです。

デルボスケはWCを勝つためにジエゴ=コスタを起用したはずなのですが、敗者の常とはいえ、まるで愚かな決断であったかのように断罪されるのは、現実の問題を見えなくしてしまうように思います。機能しなかった選手の起用をやり玉に挙げるだけでは、そこが間違っていなければ勝てたような錯覚に陥ってしまいます。それではチームの本来の力が分からなくなってしまいます。

これはスペインだけに言えることでは無く、敗退したすべてのチームがスペインの事例から学ぶべきことではないでしょうか。

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