• 2019年 10月 19日

決断が求められるシメオネ監督。アトレティコマドリーの課題と未来

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2013-14シーズンに大躍進を遂げたアトレティコマドリード。原動力はなんといってもシメオネ監督です。運動量豊富で球際が強い守備を中心にした戦術で、バルセロナとレアルマドリードの2強といわれたリーガエスパニョーラで優勝をもぎ取ります。さらにはチャンピオンズリーグでも決勝まで勝ち上がり、一気にヨーロッパの強豪にのし上がりました。しかし今シーズンは主力選手の移籍による流出もあり、勝ちきれない試合が続いています。8節終了時点で5位というのは、昨年の優勝チームとしては満足できる順位ではありません。アトレティコマドリードの課題を分析するとともに、今後のアトレティコが目指していく道も考えます。

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ジエゴ=コスタ不在での得点パターンの確立

選手構成におけるもっとも大きな変化はジエゴ=コスタの移籍です。昨シーズンのチーム得点王を失った影響は大きく、チームは攻撃の形をいまだに確立できていません。特に大きな特徴だった、ボールを奪った直後に少ないパスでゴール前に一気に攻め込むパターンは激減してしまっています。

セットプレーの強さは昨年と同様に際立っていますが、流れの中からゴールを奪う事ができていないため、勝ちきれない試合が多くなってしまっています。

攻撃のキーマンになりそうなのがグリーズマンです。アトレティコは守備的な印象が強いですが、ミッドフィルダーの各選手のテクニックも非常に高く、ボールを前に運ぶことは出来ています。しかし運んだとしても、それを決定機に結びつける動きが出来ていません。グリーズマンはシュートもパスも高いレベルで行う事ができる選手です。アトレティコ特有の早いポジティブトランジションに慣れれば、決定的な役割をできるようになるはずです。

むしろ長期的に不安視されるのは、マンジュキッチでしょう。セットプレーから得点を上げるなど、数字だけ見るとフィットしてきているように見えますが、ターゲットマンとしての動きに限定されてしまっているため、思ったほどチームに貢献できていません。これはマンジュキッチが悪いというよりは、チーム戦術との兼ね合いの問題です。マンジュキッチのようなタイプは、クロスボールにはめっぽう強いですが、クロスからの攻撃というのは一気にゴールを陥れるだけではなく、ゴール前に混戦を生み出すことがメリットです。アトレティコの戦術の場合、そこに詰めている選手が多いわけではないので、クロスボールで攻撃が途切れてしまう場合がしばしばあります。そういう意味でマンジュキッチは難しい立場に立たされています。

守備戦術の綻び

アトレティコは守備からチームを作り上げていたのですが、今シーズンは8節終了時点で7失点です。決して悪い数字ではありませんが、局面でみると集中力を欠いているように見えるシーンが多々あります。この原因は二つ考えられます。

一つはそもそも集中力を高めた状態をずっと維持する事は難しいという事です。普通は1試合を通して集中力を持続し続けることも難しいのですが、アトレティコは昨シーズンの殆どを通して完璧ともいえる集中を見せていました。昨季からの中心選手は精神的にかなり疲弊しているはずです。

もう一つは攻撃力の低下です。昨シーズンのアトレティコは守っていても、その守備が勝利につながるという強い確信を持っていたはずです。守備陣が守り切れば、ジエゴ=コスタが1点は取ってくれるという信頼のようなものが守備陣からは感じられました。しかし今シーズンは得点を取れない試合も多いため、ディフェンスとしてはどうしては攻撃に意識が行ってしまうケースも多いはずです。

シメオネが指揮してからアトレティコは高いインテンシティーを維持してきましたが、インテンシティーは永続的に維持する事は非常に難しいものです。特にディフェンスとミッドフィルダーの主力はある程度固定されていることも考えると、いつか緊張は途切れてしまうのが当たり前でしょう。

この点をどのようにシメオネが克服していくのかが注目です。

アトレティコの未来

アトレティコはチームとして大きな決断を迫られています。それはインテンシティーの高い守備をアイデンティティとしたチーム作りを進めていくのかという決断です。仮に昨シーズンのレベルの守備を続けることが出来ると考えた場合、優秀なフォワードが在籍しているシーズンは優勝争いに絡むことが出来るはずです。

しかし、それを実現するためには選手を常に激しく鼓舞できる監督と、その戦い方を伝統としていくチームとしての覚悟が必要です。バルセロナがポゼッションというスタイルを自分たちのスタイルとしているように、インテンシティーの高い守備をアイデンティティとするという事です。攻撃を是とするスペインにおいて、そういった覚悟をチーム全体で持てるのかどうかという事が重要です。

また、そのためにはミッドフィルダーとディフェンダーの層を厚くし、ターンオーバーを行っていくことが必要です。常に高いインテンシティーを保つためには、選手のコンディションが保たれていることが重要だからです。

アトレティコは今シーズン攻撃陣を一新する中で、相手が守っている状態をいかに崩すかという事を考えていたはずです。リーガの多くのチームは昨シーズンのチャンピオンチームに対して、守備的に戦うであろうことが予想されるからです。そういう意味ではマンジュキッチやグリーズマンの獲得は、非常に価値があるでしょう。しかしそれは守備力の維持が前提となっているはずです。チームとして崩しの局面を取るという事は、チームはより攻守のバランスを重視するということになります。

チームとしてのバランスを追求するのか、守備だけはどこにも負けないチームを作るのか、アトレティコが選択すル未来はどちらなのでしょうか。興味は尽きません。

版権: natursports / 123RF 写真素材

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2 Comments

  1. 何故アトレティコはフェルナンド=トーレスを獲得したのか | FCクロコダイル
    2015年1月28日 at 11:44 AM 返信

    […] 決断が求められるシメオネ監督。アトレティコマドリーの課題と未来 […]

  2. アトレティコで名将としての地位を確立したディエゴ・シメオネ | FCクロコダイル
    2015年3月18日 at 8:35 AM 返信

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