• 2017年 5月 28日

変化したレアルマドリード

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昨シーズン、レアルマドリード(以下レアル)はチャンピオンズリーグを制しました。しかし、さらなる発展のためなのか、それとも迷走なのかはわかりませんが、メンバーの入れ替わりが発生しチームに大きな変化がありました。普通は「勝っているチームはいじるな」といわれるものですが、オーナーであるフロレンティーナ・ぺレスにとってはそのような格言は何の意味も持たないようです。かつて、クロード・マケレレを放出したことで、銀河系軍団の崩壊が始まったといわれるレアルですが、今回の変化はどのような影響を及ぼすのでしょうか。メンバーの入れ替わりと、戦術の変化から、レアルの未来を予測します。

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入れ替わった選手

放出された選手と、新加入の選手を比べるだけでもずいぶん大きな変化があったことが分かります。放出された選手は、ディ・マリア(MF)、シャビ・アロンソ(MF)、モラタ(FW)、ロペス(GK)の4名。加入した選手が、ハメス・ロドリゲス(MF/FW)、クロース(MF)、エルナンデス(FW)、ナバス(GK)です。面白いのはポジションがほとんど同じで、交換するかのように選手が入れ替わっていることです。一人ひとり比較していこうと思うのですが、ロペスとナバスは入れ替わりというより、カシージャスに一本化された様子がありますので、省きます。

ディ・マリアと交代で来たのが、ハメス・ロドリゲスと考えることができるでしょう。同じオフェンシブなMF/FWですが、ディ・マリアが攻撃時はサイドからの切り崩しを得意としているのに対して、ハメス・ロドリゲスは中央のバイタルエリアを活用して、密集地帯で局面を打開することを得意としています。またディ・マリアの方が守備力が高いのが特徴です。

シャビ・アロンソと結果として交代になったのがクロースです。レアル側にシャビ・アロンソを放出する意図はなかったと思われますが、結果としてはそうなりました。シャビ・アロンソとクロースは、どちらも中盤でパスをさばくタイプのプレイヤーですが、攻撃時のポジションが大きく違います。シャビ・アロンソがチームのリスクを軽減するために、チームの最後方にポジションを取るのに対して、クロースはチーム全体の押し上げに合わせて、こぼれ球を拾える位置まで前に出ます。クロースの方がより前後に動くダイナミズムのあるタイプで、シャビ・アロンソの方がより守備的といえるでしょう。結果、シャビ・アロンソの方がロングパスが多くなりますが、パスの精度や射程については能力的にはそれほど大きな違いが無いように思います。得点力はクロースが勝りますが、これもスキルというよりはポジショニングのちがいによるものです。

モラタとエルナンデスについては、モラタがウィングにポジションも取れるFWだったのに対して、エルナンデスがよりゴール前で仕事をするタイプと言えます。

 

選手から見るチームコンセプトの変化

選手の変化でいうと、ディ・マリア、シャビ・アロンソから、ハメス・ロドリゲス、クロースの変化についていえば、守備力が下がって攻撃力が上がったという事ができるように思います。つまりチームはより攻撃的になると言えます。モラタ、ディ・マリアから、エルナンデス、ハメス・ロドリゲスの変化について考えれば、攻撃の起点がサイドから中央に移ることが考えられます。昨シーズンに使っていたフォーメーションである4-3-3について考えるとすると中盤の3の部分が二人入れ替わっています。その二人の守備力が減少傾向にあるため、使用される機会が減る可能性があります。あるいは、ハメス・ロドリゲスとクロースを併用するのではなく、一方をイジャラメンディと入れ替えるケースが考えられます。クロースとイジャラメンディを併用する場合には、中盤を逆三角形にするのではなく、4-2-3-1でダブルボランチに配置される可能性もあります。守備力の低下を中盤以外で解消するために、ディフェンスラインの構成が変わる可能性もあります。昨シーズンはレギュラーシーズンではサイドバックはカルバハル、マルセロが主につとめていましたが、より守備的なアルベロア、コエントランが先発する機会も増えるかもしれません。

 

まったく新しいフォーメーション

選手の入れ替えによるバランス調整だけでなく、大きな戦術変更も発生しています。リーガエスパニョーラ5節エルチェ戦の後半途中から、レアルは4-4-2でプレイしています。すでに昨年度から、守備時点での4-4-2は導入されていましたが、それとはまったく異なる、フォーメーションでした。昨年までの4-4-2はあくまで守備時の戦術であり、攻撃に移った場合は、ベイルが右のウィングに上がることで、4-3-3が形成されていました。

今回見せた4-4-2は2トップを維持したオフェンスで、バイタルエリアを大きく空けることで様々なプレイヤーがそのスペースを使うという戦術でした。イジャラメンディとクロースをダブルボランチに、ロナウドとベイルを2トップに置いた戦術は、今までのレアルの戦略とは全く違います。サイドから切り崩すのではなく、あえて開けたバイタルエリアに飛び込んでボールを受けて、コンビネーションで崩していくというねらいが見受けられます。スルーパスや浮き球のパスなどが多用され、イスコやハメス・ロドリゲス、クロースが活躍しやすいフォーメーションと言えます。今後このフォーメーションがどのようにつかわれていくのか注目です。

レアルの変化がこれで終わるとは思えません。昨シーズンチャンピオンズリーグを制したチームを、あえて壊して作り上げている新しいチームが、今後どのように変わっていくのか注目です。

版権: natursports / 123RF 写真素材

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