今年は日本で開催されるFIFAクラブワールドカップ。各大陸の代表が出揃い、寒さの増す12月に寒さを吹き飛ばす程の熱戦が繰り広げられます。今回は、各大陸代表の中でアフリカ代表となったTP(Tout Puissant=「万能」の意味)マゼンベ(コンゴ民主共和国、以下DRコンゴ)についてご紹介いたします。
なお、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、前回大会を最後にトヨタ自動車が冠スポンサーから外れました。前身の「トヨタカップ」時代からの長きに渡るサポートは、約35年間にも及びました。
クラブW杯の出場は3回目
このTPマゼンベというクラブ、以前もクラブW杯に出場している為、ご存知の方も多いかと思います。初出場の2009年には1勝もできずに大会を後にしましたが、2度目の出場となった2010年に大躍進を遂げます。
初戦で苦しみながらも北中米代表のパチューカ(メキシコ)を破って勢いに乗り、準決勝で南米代表のインテルナシオナル(ブラジル)を破り、史上初めて欧州・南米代表以外のクラブによる決勝進出を成し遂げました。決勝こそインテル(イタリア)0-3で完敗したものの、準優勝という大きな結果を持ち帰っています。
歴史あるクラブ
クラブはDRコンゴの南東に位置するルブンバシという都市をホームタウンに、1939年に設立されました。DRコンゴの一部リーグ「リナフット」では、首都キンシャサをホームタウンとするDCモテマ・ペンベが強豪チームでした。TPマゼンベは1960年代に強豪クラブの仲間入りを果たしますが、その後低迷。2000年代初頭から再び頭角を現し始め、2011年からはリナフットで4連覇を果たしています。
アフリカの各国覇者によるCAFチャンピオンズリーグでも常連になりつつあり、今季もUSMアルジェ(アルジェリア)を決勝で下して優勝。5回目のクラブワールドカップ出場権を手にしました。通算5度目のCAFチャンピオンズリーグ優勝回数はDRコンゴ国内では最多であり、アフリカ全体を見ても、アル・ザマレク(エジプト)と並び、アル・アハリ(エジプト)の8回に続く2番目の多さとなっています。
ホームスタジアムは2011年に竣工した、18,000人収容のヌーヴォ・スタッド・マゼンベを使用しています。もともとDRコンゴはベルギー領であった為、フランス語が公用語となります。
今大会の注目選手はGK、ムテバ・キディアバ
TPマゼンベには世界的に有名な選手はいませんが、クラブを代表する選手といえば、この選手を忘れてはなりません。2010年のクラブW杯出場時にも好セーブを連発してチームの決勝進出に大きく貢献したGKムテバ・キディアバです。
TPマゼンベで長年プレーし、またコンゴ代表のGKとしても活躍する彼。プレーもさることながら、やはり注目すべきは味方がゴールを決めた際に見せる、お尻で小気味よくピッチを跳ね回るパフォーマンスでしょう。
元々DFラインが安定しているチームであり、中盤から前線にかけての個人技を得意技とする選手が切り崩すというカウンター主体の戦い方がベースとなっています。今年も安定した守備陣をベースとし、耐えに耐えた後の強烈なカウンター攻撃が炸裂するのでしょうか。
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トップ・アイキャッチ画像引用元:Tout Puissant Mazembe 08.11.2015::ENQUETES DE FOOT::AU ROYAUME DU TOUT PUISSANT