• 2017年 10月 18日

リーガ第3節レアルマドリードVSアトレティコマドリードのマッチレビュー

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アトレティコVSレアルマドリー

リーガエスパニョーラの序盤戦最大の注目マッチである、マドリーダービーが行われました。結果はすでに皆様がご存知の通り、2対1でアトレティコマドリード(以下アトレティコ)の勝利。試合そのものはレアルマドリード(以下レアル)が押している場面も見られましたが、両チームのプレイを比較すると順当な結果といえるのではないでしょうか。アトレティコの方が圧倒的に完成度が高く、レアルの弱点をしっかりと攻略したという印象が強いゲームでした。そんな中で注目だったのはレアルの戦い方。中核となるメンバーに移籍があった今シーズンのレアルで、アンチェロッティが模索しているサッカーがうかがえる内容でした。マドリードダービーからレアルの今シーズンを検証します。

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アトレティコ勝利の理由

アトレティコの最大の勝因は、守備時の集中力と継続性ということができます。とくに継続性という部分でレアルとアトレティコには大きな差がありました。レアルはシーズンで初めてフォアチェックを重視した戦いを行いました。従来はレアルの弱点といってもよかったネガティブトランジション(攻⇒守の切り替え)が大幅に改善され、前線からボールを奪いに行く意識はかなり徹底されていました。そのためアトレティコはカウンターを出そうにもフォアチェックのえじきになって、再びレアルのボールになってしまうという状態を作られていたのです。しかしアトレティコは守備に忙殺されたとしても、それが自分たちのサッカーであるという自覚があるためか、最後の最後で集中力を途切れさすことがありませんでした。

それに対してレアルの失点は、コーナーキックとカウンターからの失点です。特にコーナーからの失点は、試合序盤での集中力の欠如を問われても仕方がないような内容です。攻めている時間とボールを失った直後は集中できているのですが、相手がボールを運び自陣ゴールに迫ると、後手に回るような状態になっていました。

試合で90分間どんな状態でも持ち味を発揮できているアトレティコに対して、レアルは苦手なシチュエーション(相手がボールを持って自陣ゴール前に迫っている状態)が存在したという点で、レアルの敗北は妥当だったように思います。

レアルの激しいフォアチェック

レアルマドリードはダービーに向けて二つの大きな試みを行ってきました。一つは前述した激しいフォアチェックです。

シャビ=アロンソとディ=マリアという守備局面でのプレイにも長けた選手を失ったため、チーム全体でのフォアチェックという形でそれを補わざる終えなかったというのが実情だと思われます。特に前述の二人に代わって入ったハメス=ロドリゲスとクロースは、守備面では前述の二人に劣りますが、前線でのフォアチェックであればむしろ俊敏性を活かすことができます。

このフォアチェックはある程度成功したと言えるでしょう。アトレティコがカウンターを始めることができずにボールロストをする場面を作ることができましたし、ボールを奪ってから前線に残っている選手を使って攻撃するという、フォアチェックのメリットも十分に生かせていました。

今後の課題は継続性です。アトレティコとのダービーという特殊な状況だったため、選手は集中して前線から守備に当たっていましたが、これが下位のチームとの戦いになっても続けられるかどうかが課題です。またフォアチェックを積極的に行ったにもかかわらず、結果としてはダービーに敗戦してしまったことも、継続を難しくするかもしれません。

レアルの新フォーメーション

レアルはもう一つの試みとして、両サイドバックに守備的な選手を配置するという方法を取りました。昨年までのレアルは4-3-3をベースとして、攻撃に時には両サイドバックが上がってシャビ=アロンソが守備ラインに吸収されて、3-4-3になると形をとっていました。チーム全体のバランスを取っていたシャビ=アロンソが居なくなったため、今度はサイドバックを守備ラインに吸収して3CBのようにプレイさせていました。アルベロアはオーバーラップよりは、中に絞って、セルヒオ=ラモス、ペペと共に守備を形成していました。コエントランを使ったのも、クロースが上がった背後をフォローさせる意味が大きかったように思います。この戦術はおそらく昨年度のバイエルンで、両サイドバックがボランチの位置に入りゲームメイクをしている事にヒントを得田のではないでしょうか。これを逆に守備の局面で活用しようという考え方です。

サイドバックが守備にかかっているため、攻撃にも大きな変化がありました。サイドバックが上がってくるスペースが空くため、クリスチアーノ=ロナウドが積極的にポジションを変更し、右サイドでベイルとプレイするような姿も見られました。また、クロースが前に上がってボールキープに貢献し、フォアチェックで奪ったボールをすぐに展開する役割を担っていました。サイドバックではなく、中盤の上りで攻撃に厚みを出すという、従来とは異なる戦術がとられています。しかしまだまだ完成度が低く、サイドチェンジを行っても人がいないなどの相互不理解が発生してしまったのも、また事実です。

レアルは昨シーズンとは全く違った戦術で戦っていました。CLで優勝したチームでありながら、これほどまで姿を変えたのは予想外でしたが、この戦術が完成すれば、再び強力なチームが出来上がるように思います。

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(画像:版権: miff32 / 123RF 写真素材

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