• 2017年 6月 24日

高騰し続ける移籍金のきっかけとなったボスマン判決とは?(前編)

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クリスチアーノ・ロナルド、130億円。ガレス・ベイル、120億円。ルイス・スアレス、110億円。サッカー界において、スター選手の移籍金は毎年高騰し続けています。

有力選手の争奪戦は過熱化し、クラブは移籍市場に大金を投じて長期契約を求めるケースが増えました。そのきっかけを作ったのが、ジャン・マルク・ボスマンという選手であることをご存知でしょうか?今回は全くの無名選手だった彼がサッカー界の歴史に名を残すことになった、「ボスマン判決」を紹介します。

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ことの発端とボスマン判決

1990年、ベルギー2部リーグに所属していたボスマンは2年間の契約が切れたためフランスリーグへの移籍を希望しました。しかし所属クラブがこれを拒否し、移籍することができませんでした。当時のクラブと選手間の規約では、契約満了後の選手の保有権はクラブが保持し、選手は自由に移籍できなかったのです。

ボスマンは移籍の自由化を求めて、まずベルギーの裁判所に訴え出ました。その結果、ボスマンは勝訴。

更に彼はUEFA(ヨーロッパサッカー連盟)を相手取り、欧州司法裁判所に訴え出ました。ここでも彼は見事勝訴し、そのとき出された判決が、サッカー界で有名なボスマン判決です。

ボスマン判決の内容を見てみましょう。判決の内容自体はシンプルな内容です。

  1. クラブとの契約が完全に終了した選手の所有権をクラブは主張できない。
  2. EU域内であればEU国籍を持つ選手は自由に移籍できる。

この判決が出た1995年より、「選手」は保有権の呪縛から解かれ自由に移籍することが可能となりました。

ボスマン判決が生んだ負の遺産

「選手」は自由を手に入れましたが、ボスマン判決により、悩ましい状況に陥ったのが「クラブ」です。

選手が契約満了になるとクラブは移籍金ゼロで手放すことになります。クラブには1円もお金が入ってきません。クラブとしては移籍金ゼロで選手を移籍させたくありませんから、長期契約を結び、選手を取り囲みます。もし契約中の選手が他クラブに獲得されても、契約解除金(=移籍金)が発生しますから、選手と引き換えにある程度の資金を手にすることができます。

実はここに大きな落とし穴がありました。資金が豊富なクラブは違約金を払ってでもスター選手を獲得します。しかし資金力に乏しいクラブは有能な選手を奪われ、そうでない選手が残るだけです。つまり金満なクラブはスター選手で富み、そうでないクラブは平均レベルの選手が残ります。こうしてクラブ間に「格差」が生まれました。

「サッカー」というビジネスの形態の変化

有能なスター選手を獲得することは、大きなマーケティング効果を生み出します。チームの補強に繋がるだけでなく、スタジアムに足を運ぶファンが増え、ユニフォームなどのグッズ販売にも大きな影響を与えます。その上試合に勝てば放映権で収入を得ることができます。

高額な移籍金がニュースを賑わせ、ここ最近では中東のオイルマネーも流入するようになりました。巨額な移籍金を使ってのスター選手の青田買いがヨーロッパのサッカー界での常套手段となり、一面ではバブルともとれるような投機的な様相を呈しています。

しかし、スター選手を獲得できるのはお金を持っているクラブだけです。それでは資金力の無いクラブはどうするのでしょうか?次回、ボスマン判決によりヨーロッパの最前線から姿を消し、経営戦略を変えざるを得なくなったクラブチームをご紹介します。

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版権: laristo1 / 123RF 写真素材

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2 Comments

  1. 高騰し続ける移籍金のきっかけとなったボスマン判決とは?(後編) | FCクロコダイル
    2015年6月30日 at 6:31 AM 返信

    […] 関連記事:高騰し続ける移籍金のきっかけとなったボスマン判決とは?(前編) 版権: katatonia / 123RF 写真素材 […]

  2. ロナウド、セードルフ、アネルカ…移籍を繰り返したスーパースターたち | FCクロコダイル
    2015年7月10日 at 9:09 AM 返信

    […] 高騰し続ける移籍金のきっかけとなったボスマン判決とは?(前編) […]