• 2019年 10月 15日

ロナルド・クーマン率いる14-15シーズンサウサンプトンの躍進

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ロナルド・クーマン率いる14-15シーズンサウサンプトンの躍進

“今シーズンも”セインツ(サウサンプトンFCの愛称)の躍進は、プレミアリーグのサプライズの一つとして挙げられるでしょう。第35節終了時点でEL圏内のリバプールに勝ち点4差の7位という好位置に付けています。

13-14シーズンのサウサンプトン

13-14シーズン、就任2年目のマウリシオ・ポチェッティーノに率いられたセインツは、多くのサッカーファンの予想をはるかに上回り、プレミアリーグ8位という結果でシーズンを終えました。もちろんクラブ史上最高記録でした。シーズン開始前の下馬評はそれほど高くはありませんでした。

というのも、チャンピオンシップ(2部)からの昇格組として臨んだ12-13シーズンは降格圏から勝ち点5だけ上乗せした14位という結果でフィニッシュしており、13-14シーズン開始前の移籍マーケットでもそこまで積極的な動きを取った訳ではなかったためです。センターバックのロブレンをリヨンから、ボランチのワンヤマをセルティックから、センターフォワードのオズバルドをローマから獲得したのみでした。

しかしシーズンが始まってみると、序盤戦から最高のスタートダッシュをきり、第11節終了時点ではアーセナル、リバプールに次いで単独3位という順位に位置していました。シーズンの後半に勝ち点の取りこぼしがあり、前述した順位でシーズンを終えましたが、多くのサッカーファンの間でサプライズとして話題の中心になったことは間違いありません。

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ルークショー、チャンバースなど主力選手に加えポッティチェーノ監督まで流出

話を今シーズンに戻します。冒頭に何故“今シーズンも”と記載したかというと、 13-14シーズンの躍進を支えた中心メンバーがビッグクラブへ移籍してしまい、(ルーク・ショーがマンチェスター・Uへ、チャンバースがアーセナルへ、ロブレン、ララーナ、ランバートがリバプールへ)更には、ポチェッティーノ監督(トッテナムへ)までもチームを去ってしまったからです。

しかし、今シーズンのセインツも名称ロナルド・クーマンに率いられ、昨シーズンに確立した守備の基盤を踏襲し、手堅い試合運びをできるようになっています。

データから見るセインツのストロングポイント

昨シーズンの好成績の要因はデータから見てもその確固たる守備力です(失点46はリーグ5位)。数年前にドルトムントのクロップ監督が編み出したゲーゲンプレッシング(ボールを失ったら自陣に戻って守備をするのではなく、失った場所からすぐにディフェンスを開始し、ボールを奪い返してしまう守備戦術)が注目を集めた中でも、ポチェッティーノはしっかりとリトリート(相手の攻撃を遅らせながら、守備ブロックを整えること)することをチームに植え付け、結果としてプレミアリーグのビッグクラブとも渡り合いました。

昨シーズン確率したそのスタイルをロナルド・クーマン監督が引き継ぎ、加えてシーズン前は移籍の噂もあったシュネイデルランや今シーズン台頭したウォードプラウズ、マネやペッレがシーズンを通して高いパフォーマンスを発揮していることは好調の大きな要因です。

チームがバランスよく連携する手堅い試合運び

2-2で引き分けた第34節のトッテナム戦では、今シーズンブレイクを果たしたトッテナムのハリー・ケインを、フォンテと吉田のセンターバックコンビを中心としたディフェンス陣が完璧に抑え込み、攻撃ではワントップに入ったペッレの献身的なチェイシングやウォードプラウズの正確なクロスとプレスキック、マネのスピードを活かした独特のリズムのドリブルから、チャンスをいくつも作り出しました。

失点は喫したものの、さすがリーグ5位の失点の少なさを誇るディフェンスは自信にあふれていました。トッテナムボールになってもチームとして慌てることは全くなく、しっかりと自陣にリトリートしてから始めるディフェンスはトッテナム攻撃陣を大変苦労させました。この試合を引き分けで終えたことで、クラブ史上最高のプレミアリーグ勝ち点記録を57(これまでの最高記録は昨シーズンの56)に更新しました。5/9には降格のかかったレスターシティに敗れましたが、残るリーグ戦2試合にも注目です。

今シーズン開始前に多くのタレントがビッグクラブへと移籍していってしまったように、今シーズン終了後にもまた多くの才能がチームを去ってしまうことは多いに考えられます。しかし、この2シーズンの成績や戦う姿勢を見るとセインツはもはやプレミアリーグの残留争いをするクラブではなく、トッテナムやエバートンと並び、プレミアリーグから欧州カップ戦を目指すべき、中堅クラブと言えます。来シーズン、セインツがプレミアリーグの中心的な存在となっていても、最早それはサプライズではありません。

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画像:サウサンプトン監督のロナルド・クーマン(WIKIMEDIACOMMONS/クレジット:Ronnie Macdonald

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