• 2017年 3月 23日

賛否両論!?FIFAが定める未成年者移籍プロテクト

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2014年4月2日FIFAは移籍条項19条に定められている、未成年者の国際移籍(18歳未満の国際移籍を原則禁止)を規制する条項に、規定違反をしたとする理由でリーガ・エスパニョーラ(スペイン1部リーグ)所属のFCバルセロナに対して、14年夏季と15年冬季の選手移籍禁止処分をすると併せ、45万スイスフラン(約5300万円)の罰金課すと発表しました。この問題は今後若い世代にどのように影響するのかを検証してみます。

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移籍条項19条とはなにか。そして19条が定められた訳

近年ヨーロッパのサッカー市場では、アフリカからの若く有望な人材を多く輩出、移籍しています。

そしてこの母数が多くなるにつれ、フットボールビジネスの裏側では悪質な代理人や関係業者による詐欺に近い行為が多く発生しています。

ヨーロッパでプロサッカー選手として活躍したいという少年やビッグマネーを期待する家族の存在を逆手にとり、ヨーロッパのトップクラブへ入団できるチャンスがあるという口実で渡航費を巻き上げ、更には実際に渡航してきた選手がチャンスをつかめないと見切りをつけると、共に同伴した家族共々母国に帰るサポートもせず文化の違う異国に置き去りにし、更には不法滞在者という形でその土地に残らざる得ない少年、家族が多く存在する事実を重く受け、FIFAはこの移籍条項の19条を2009年に規定として定めました。

しかしこの条項には例外が3つほどあり、

  1.  「両親がサッカー以外の理由で引っ越した場合」
  2. 16歳以上18歳未満でEU内、EEA(欧州経済領域)内での移籍の場合」
  3. 自宅が国境から50km以内にあり、隣国のクラブもまた国境から50km以内にあり、両国のサッカー連盟が合意した場合」

この3点の条件を全て満たす18歳以下の選手は移籍が可能とされています。

 何故明るみとなってしまった規定違反

事の発端は2013年2月FCバルセロナ、ラ・マシア(FCバルセロナ少年育成部門)所属の当時15歳で韓国国籍のイ・スンウの登録が19条に定められている規約違反であるとの訴えが匿名で報告されたことです。報告を受けたFIFAはFCバルセロナに登録情報を問い合わせた上で、さらに深く調査開始し、結果カンテラ(下部組織の総称)所属の4選手の公式戦への出場禁止処分が命じられました。FCバルセロナのカンテラ所属の久保健英君、レアル・マドリードのカンテラ所属の中井卓大君の件も日本で報じられています。

 それでも少年達の未来を失わせたくない

この処分に対してFCバルセロナは制裁措置発表の同日に、多くの声明をFIFAやメディアに向けて発表しました。

14にもなる声明の項目を要約すると、「ライセンスを取り消された選手はそれ以降公式戦に出場していなく、FCバルセロナには違法者はいない。かつ、ラ・マシアはFIFAの承認を受け、選手その家族が社会に溶け込めるように常に努力と貢献を惜しまず行ってきた。そして我々はFIFAに未成年保護についての規約見直すよう幾度も働きかけてきた。」

FCバルセロナ側は、要は「規定を守っていたわけではない、しかしFIFAが定める規定と考え方に不備がある。」と声明をだす形で、FIFAに訴えを起こします。

しかしFIFAはこの声明は理解しつつも規約違反には変わらないとして、バルセロナが起こした訴えは覆らないことを決めています。

決定を不服としたFCバルセロナは、その後スポーツ仲裁裁判所に訴えを起こすも、裁判所もFIFAが定めた規定を原則として棄却としました。

更にはこの一件を受けFIFAはレアル・マドリードに対しても過去5年間の未成年移籍に関する情報の提示求め、事は小さな火種から大きな炎へと変化してしまいした。

 一理も二理もある両者の言い分

前途でも書いた通り事実フットボールビジネスを悪用する人間がいるが為に、多々起こりうる不幸を防ごうとするFIFA。

そしてFCバルセロナを含む各欧州のクラブチームは、選手の未来と自チームの希望として、フットボール以外にも人格者として、人々の模範になるような人材をプログラムの一環として導入し、真剣に育成に取り組んでいるのは事実です。

どちらが正しいとも言えず、どちらも正しいこの問題に終わりは見えるのでしょうか。

移籍条項19条がなくなるフットボール界の未来を作ることができれば、すべてが解決したとする日となるでしょう。

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版権: / 123RF 写真素材

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