• 2017年 5月 28日

まさかのアンチェロッティ解任論。レアルは危機に陥っているのか

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レアルマドリード(以下レアル)が危機に陥っていると言われています。3月に入り、エルチェ戦引き分け、ビルバオ戦シャルケ戦敗北と調子を落としています。チャンピオンズリーグではシャルケに対してトータルスコアで何とか勝ち抜けを決めたものの、4失点とディフェンスが崩壊と言えるような状態に陥っています。次の対戦でアトレティコ・マドリードとのダービーは注目です。リーガでも、調子を上げてきたバルセロナに首位を明け渡しています。ついにはアンチェロッティ監督の解任という意見すら出てきています。昨年末にクラブの連勝記録を更新していたチームが、崩壊の危機を叫ばれるようになったのはいったい何があったのでしょうか。危機の理由を分析するとともに、レアルの今後を占います。

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 あり得ないバランスの中での連勝

根本問題として理解しておかなければいけないのは、今シーズンのレアルは不安定な状態で戦っているということです。素晴らしい連勝記録を打ち立てましたが、そのこと自体が本来はあり得ないことであり、チーム力としてはチャンピオンズリーグを制した昨シーズンと比べても低下していると言える状態にあるということです。

連勝記録が疑問を打ち消した感はありますが、そもそも昨シーズンの主力であるシャビ=アロンソとディ=マリアの穴はまだ埋まっていません。新たに加えられたハメス=ロドリゲスとクロースという選手を用いて、アンチェロッティは超攻撃型のチームを作り上げました。そのチームのバランスはお世辞にも良いとはいえず、爆発的な攻撃力を保持することと裏腹に、守備に関して非常に大きな課題を抱えることになっています。

アンチェロッティはこの守備の問題を覆い隠すために、ポゼッションを高めることと、選手の守備意識を改善して守備が得意でない選手であっても相手プレイヤーにプレッシャーをかけることをチームに浸透させました。守備の問題が改善したわけではありませんが、致命的な問題にならないように応急処置を施し、自慢の攻撃陣で点を取るというのが今シーズンのレアルの戦い方です。

当然ですがチームに守備機会が多くなればなるほどチームは困難に陥ります。また攻撃力が低下すれば、相手チームのプレイヤーはより大胆に攻撃に参加する事が可能になり、より危機は大きくなると言えます。現在のレアルの危機は、突然何かが悪くなったのではなく、完璧ではない状態に陥る中で、当然と思われる困難に直面していると言えます。

 チームの鍵を握る選手

レアルにとって苦戦が続いている理由は、攻撃にあります。勿論本質的な問題として守備面の課題は多いのですが、この問題は現有戦力では解決不可能な課題なので、連勝時にも同様の問題を抱えていたと言えます。攻撃の停滞こそがレアルを不審に陥らせているのです。

不振の原因がすなわち、チームが調子を取り戻すための鍵になります。

最も大きかったのはハメス=ロドリゲスの離脱でしょう。ハメス=ロドリゲスの離脱中にイスコが評価を上げていますが、ハメスとイスコのプレイには大きな違いがあります。これは優越をつけられるものではありませんが、イスコは仕掛けて崩すタイプのプレイヤーで、ハメスはパサーだということです。レアルマドリードは前がかりの4-3-3を用いています。その中で中盤の選手であるイスコがスペースに対して仕掛けることで、チームは現実的には4-2-4になります。元々守備に問題を抱えているチームにとってこれはバランスを崩すことになりかねません。ハメスは3トップの後ろからパスを出すことが出来るプレイヤーですし、自分がアタックするスペースを必要としませんので、仕掛けるタイミングもイスコに比べるとずいぶん遅いと言えます。攻撃時のポジションが後ろなので、セカンドボールも拾いやすくなります。

ハメスが居ないことで、イスコが仕掛ける機会が多くなり、必然的にボールを奪われて攻守が入れ替わる機会が多くなります。結果レアルは得意としない守備の局面が多くなってしまっています。やはりイスコの適性は現在のフォーメーションであれば3トップの一角、本来はトップ下なのでしょう。

勿論チーム全体が押し上げていればイスコが仕掛けたとしても、チームは前後に分断されることはありません。今の環境と周囲のプレイヤーの構成では、イスコよりハメスの方が機能するということです。

他にも守備とポゼッションで貢献できる中盤の選手であるモドリッチや、後方からポゼッションを支えるセルヒオ=ラモスの不在がチームの基本戦術を機能しなくしている要因です。最低限の守備と、最大限の攻撃がレアルマドリードの基本コンセプトなのですが、シュートで終われずにボールを奪われている事と、セカンドボールを拾えないことがチームを困難に陥れています。

ハメスの復帰が遅れる中、期待されるのはモドリッチとラモスの復帰によりポゼッションと守備が改善することです。

 アンチェロッティはどうなるのか

アンチェロッティの解任が噂されていますが、何とも馬鹿げた話と言えます。誰に任せても現在のチームをまともに機能させることは困難なはずです。監督を交代させれば、一時的に選手の奮闘があり持ち直す可能性はありますが、今のチーム構成で戦っている限り、守備の崩壊は避けられないはずです。むしろアンチェロッティはこのようなアンバランスなチームを率いながら、連勝記録を作ったという点を高く評価されるべきです。

チームの問題は守備と攻撃を両立できる選手の補強が無い状態で、ディ=マリアとシャビ=アロンソを放出した点にあります。年末の連勝でフロントの不手際は無かったことになっていますが、その問題を覆い隠したのもアンチェロッティの手腕であることを考えると、アンチェロッティを解雇するということは、チームにとっては何一つプラスにならないはずです。

今シーズンのレアルがどうなるかについては、正直先行きは明るくありません。しかしモドリッチの復帰によってチームが取れる戦術の幅が一気に広がります。4-3-3だけでなく、4-4-2や4-2-3-1も視野に入れることが出来るため、アンチェロッティがチームをよみがえらせるきっかけを作ることが出来るかもしれません。リーガを優勝か、チャンピオンズリーグを優勝かどちらかが無ければ、シーズン終了後にアンチェロッティは解任される可能性があります。どちらも可能性は残していますし、アンチェロッティと現レアルのメンバーであれば不可能ではないはずです。

アンチェロッティの解任はレアルにとって何も良いことはないはずです。何とか今シーズンをしのいで、おそらく今シーズンよりは戦力バランスが整うと思われる来シーズンを、アンチェロッティと共に迎えて欲しいものです。もっとも、アンチェロッティは解任されたとしてもマンチェスターシティやパリサンジェルマン、マンチェスターユナイテッドなどから引く手あまたなので、困ることはないかもしれません。

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版権: / 123RF 写真素材

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One Comment

  1. 昨年の決勝戦の両雄が早くも激突!チャンピオンズリーグ ベスト8考察 | FCクロコダイル
    2015年3月28日 at 8:35 AM 返信

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