• 2019年 9月 16日

中長期でのクラブ強化を考える。WSD2015.03.19レビュー

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ワールドサッカーダイジェスト2015.03.19のレビューです。今号では欧州強豪クラブの強化・改革「3カ年プロジェクト」と称して、現地ジャーナリストがチームの今後の方針に予想と提言を行っています。

チームの強化、監督人事、有力プレイヤーの後継者、世代交代、財政、ポジション別の今後の展望など様々な要素で、各クラブの注目ポイントをピックアップしています。そして見逃せないのがジョルジュ=メンデス代理人についての特集が組まれていること。インタビューも、カシージャス、ロッベン、スターリッジ、ボニー、コケと注目の内容になっています。今のヨーロッパのメガクラブの状況を知る上でも、必見の一冊です。

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 欧州強豪クラブの強化・改革3カ年プロジェクト

ヨーロッパの有力14チームを再建中、停滞中、順風満帆の3つにカテゴリ分けし、それぞれに今後の展望を現地ジャーナリストのコメントを元に論じています。このカテゴリ分けだけでもすでに面白いのですが、再建中のカテゴリにマンU、ミラン、インテル、リバプール、ドルトムントが分類されています。ミラン、インテル、マンUについては異論がないことでしょう。しかしドルトムントが再建期に入っているのかというと、おそらく今後は現在の方針が維持されると思われます。後半に向けてチーム成績が上向いていることを考えると、現在を危機的な状態と捉えるのかどうかは微妙ではないでしょうか。そしてリバプールに関していえば、再建以前の問題でここ10年以上ずっとこんな感じではないかと思われます。

停滞中の分類についてはアーセナル、バルセロナ、マンC、ユベントス、PSGが選ばれており、これは納得の分類と言えそうです。問題があるという程ではないのですが、目標としている結果は得られていないというチームです。それぞれに臨むコンペティション内で、もうワンランク上の結果を出したいと思いながら、実現できていないというクラブです。

個別のチームの内容で面白かったのは、ミランとインテルでしょう。マンチーニの招聘や補強の方針が比較的好意的に受け取られているのがインテルで、逆に根本的な改革を求められているのがミランです。かつての混乱したインテルと、意思統一ができているミランという印象が強かった状況から考えると真逆で、非常に興味深い内容です。特にミランのガッリアーニは敏腕と評判だった過去の状態から、まるでやっかいもののように扱われています。さらに興味深いのはPSGのスポーツディレクターに、ガッリアーニを招聘したらどうかという意見があったことです。

チームの方針を含めて、現在の各チームの課題や問題点を知る上では非常に面白い記事と言えるのではないでしょうか。

 ジョルジュ=メンデスの影響力

サッカーファンならジョルジュ=メンデスの名を覚えておいて損は無いはずです。選手の移籍やチームとの契約の交渉を行うのが代理人です。その中で世界で最も有名で、最も大きな影響力を持っているのがジョルジュ=メンデスです。その顧客は多岐に渡り、選手でいえばクリスチアーノ=ロナウド、チアゴ=シウバ、ジエゴ=コスタ、アンヘル=ディ=マリア、ハメス=ロドリゲス、ラダメル=ファルカオ等そうそうたる顔ぶれです。監督ではジョゼ=モウリーニョが代表的です。

今回の特集記事の内容で注目すべき点は、ジョルジュ=メンデスが交渉の報酬を選手ではなくチームから得ているという点です。代理人は選手に雇用されており、選手が得る報酬の一部を受け取るということが一般的でしたが、ジョルジュ=メンデスがチームにとって戦力となる選手を紹介する代わりに、クラブ側から費用をもらうというやり方を取っています。クラブ側から見れば余分に費用が掛かることになりますが、逆に言えば選手側にたってわがままを通そうとするだけでは、契約は成立しなくなります。

選手やクラブから信頼されている背景には、そういったやり方の違いもあるようです。

またビジネスのスケールは非常に大きくなっており、選手の代理人としての活動以外に、クラブそのものの買収に関わりを持つなど、活躍の幅を広げています。

サッカー関連の記事を読んでいれば、これからもしばしばジョルジュ=メンデスの名前を見ることがあるはずです。少しサッカーと関係が無い記事に見えるかもしれませんが、この内容が分かればヨーロッパサッカーがまた一つ面白くなるのではないでしょうか。

 サイモン=クーパー評伝:ルイス=ファン=ハール迷える智将

サイモン=クーパーがマンチェスターユナイテッドの指揮官、ルイス=ファン=ハールについて記しています。ファン=ハールの略歴から、近年のワールドカップでの活躍や、マンチェスターユナイテッドでの指揮について論じています。

衝撃的なコメントが2つありました。1つはマンチェスターユナイテッドを長年整備されていないロールスロイスと表現していることです。ファーガソンの勇退が問題となっているのではなく、ユースアカデミーは有力選手を育てることはできず、平均年齢が高いチームを作ってしまったユナイテッド首脳陣事態の問題と捉えています。

もう1つの衝撃的なコメントは「独特の際立つオリジナリティーは消え去った」とファン=ハール自体の衰えを指摘して居る点です。もっとも、これはサイモン=クーパー自身の言葉ではなく、その知人のジャーナリストの言葉です。しかし、かつてのファン=ハールのような独善的で絶対的な自信にあふれた態度、もっというのであればトラブルをまき散らすような高慢さが無くなっているのも事実であるように思います。ピッチ上でもかつてファン=ハールが率いたチームのようなパスサッカーを実現することはできていません。そのことがファン=ハールに影を落としているのかもしれません。

ファン=ハールがこれからどのようにチームを作っていくのか、注目です。

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関連画像:Amazonより

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