• 2017年 10月 18日

アトレティコで名将としての地位を確立したディエゴ・シメオネ

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アトレティコのシメオネ監督の周辺がにわかに騒がしくなっています。アトレティコ残留が既定路線と言われながら、マンチェスターシティやパリサンジェルマン(以下PSG)が獲得を狙っている等、様々な噂が立っています。シメオネは2012-13シーズンの途中からアトレティコで指揮を取り始めてから、あっという間に世界的な名将と呼ばれるまで駆け上がりました。そんなシメオネが評価される理由を考えながら、今後シメオネが他のチームで指揮を執る可能性について考えます。

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 プラスアルファを与えることの出来る監督

シメオネが注目を浴びている理由は、アトレティコをリーガで優勝させたからというだけではありません。確かにアトレティコは長い間優勝から遠ざかっていましたし、優勝できるとは思われていませんでした。しかしその意味では、長い間優勝の無かったインテルやマンチェスターシティを優勝させたマンチーニや、ユベントスを再び強豪にしたコンテも同じような評価をされてもおかしくないでしょう。しかしこの2者と比べても、シメオネに対する評価はずば抜けています。

シメオネの率いているチームの大きな特徴は、戦力的に劣った状態で成果を成し遂げているということです。アトレティコは予算的にも選手の顔ぶれでも、バルセロナとレアルマドリードに大きく劣ります。コケやゴディンは間違いなく世界トップクラスの選手ですが、例えばレアルやバルセロナの3トップに匹敵するネームバリューの選手が居るでしょうか。フェルナンド=トーレスだけはそれに当てはまるかもしれませんが、すでにピークを過ぎた選手です。

しかしシメオネの率いるチームは、そのレアルマドリードやバルセロナに匹敵する強さを持っています。昨シーズンはバルセロナとのマッチレースを制してリーガで優勝、今シーズンはここまでレアルマドリードと6回戦って無敗です。

シメオネが評価されているのは、こういった戦力値を上回る結果を出せている点です。選手のモチベーションを鼓舞し、スカウティングに基づいたディフェンスプランで相手の攻撃を封じ込めます。そうして一撃必殺のカウンターで勝利を収める。そういった姿を昨シーズンから何度も目にしたのではないでしょうか。

監督には2つのタイプがあります。戦力通りにしっかりと結果を出すタイプと、戦力以上の結果を出すタイプです。どちらが優れているというわけではありません。前者にはモウリーニョ、アンチェロッティ、マンチーニ、アレグッリ等を上げることができるでしょう。後者はシメオネ、クロップ、クーマン、ヴェンゲルなどがあげられるのではないでしょうか。

シメオネは後者の中で、クロップと並んで最高の評価を受けていると言えるでしょう。

 シメオネに向いているチーム

現在シメオネに興味を示していると言われるチームが、マンチェスターシティとPSGです。この両チームはくしくもオーナーがアラブ筋で、資金にものを言わせて名選手を集めたチームです。目標はチャンピオンズリーグの優勝であり、そのために現在のチームをもう一つ上のレベルに到達させることの出来る監督としてシメオネに白羽の矢が立っているのです。

では、シメオネがこういったチームに最適な監督なのかと言えば、若干の疑問がぬぐえません。前述の通りシメオネは戦力以上の結果を出すチーム作りに長けた監督です。この2チームはすでに十分以上の戦力を有していますので、必要なのは手持ちの戦力に、適正な力を発揮させる事ではないでしょうか。例えばPSGでは、カバーニとイブラヒモビッチが同時に個性を発揮できていないと言われています。マンチェスターシティでもヨベティッチやジェコが戦術オプションの域を出ない使われ方になっています。両チームに必要なのは、そういった余剰戦力を戦術にくみこんでレギュラー、ないしは準レギュラーとしてピッチで能力を発揮させる事でしょう。モチベータ―よりも、戦術家が求められています。

では転してシメオネに向いているチームはどこかというと、リバプール、ユベントスではないでしょうか。ユベントスはセリエAでは頭一つ抜けた戦力を有する強豪ですが、チャンピオンズリーグでは強豪とはいえず、挑戦者の位置付けです。元々ユベントスは運動量の豊富な選手を歓迎する傾向もあるため、アトレティコににたチーム作りが出来るのではないでしょうか。またリバプールも同様に、よく走る選手を歓迎する部分があり、戦力的にチェルシーやマンチェスターの2チームに劣るという意味でも、シメオネのプラスアルファを生み出す手腕を発揮しやすいのではないでしょうか。

 アトレティコのファーガソンになれるか

色々なチームに行くシメオネを想像するのも楽しいですが、本命はアトレティコの残留でしょう。シメオネは現役時代もアトレティコで活躍しており、ファンもシメオネの残留を強く望んでいます。また首脳陣もシメオネの続投で意思統一されており、補強に対してもシメオネの意見が強く反映されているようです。

普通に考えればシメオネが望む限りアトレティコで指揮を執ることができるでしょう。つまりポイントはシメオネが他のクラブへの移籍を望むのかどうかということになります。シメオネにとって自分の望むチーム作りを出来ている限りは、他のクラブへと移るメリットはそれほど多くないはずです。他のクラブにいけば、新しいクラブの首脳陣たちと関係を築く必要があります。かつて所属していたクラブという意味ではインテルがアトレティコと同じ条件にありますが、インテルの当時のオーナーであるモラッティはすでにオーナーではなく、首脳陣も変わりつつあります。その意味でもアトレティコは優位と言えます。残るはよりレベルの高いチームで指揮を執りたいという意思があるかどうかです。レベルが高いというのは所属している選手がより能力難いという意味です。あり得ない話ですが、レアルマドリードの指揮を取れるチャンスがあればどうするかということになります。とはいえ、現在のアトレティコはヨーロッパでトップクラスの競争力を持ったチームです。明確にアトレティコより上と言えるチームがほとんどない以上、シメオネはアトレティコに残るのではないでしょうか。

シメオネの長期政権についてももう一つの不安点は、その闘争心と激しさをチームが維持することができるかどうかです。例えばコンテが率いていたユベントスもアトレティコと同じように運動量とボール際の強さが特徴でした、ドルトムントも運動量豊富な選手を前線に集めたチームだったと言えます。この両チームはその運動量を維持するためのメンタルとフィジカルを持続しきれ勝ったため、勝率を落としたり、監督をこうたいしたりということになっています。

シメオネが退陣するとしたら、選手の疲弊によりチームのインテンシティーが維持できなくなった時かもしれません。

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版権: / 123RF 写真素材

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2 Comments

  1. まさかのアンチェロッティ解任論。レアルは危機に陥っているのか | FCクロコダイル
    2015年3月21日 at 11:04 AM 返信

    […] アトレティコで名将としての地位を確立したディエゴ・シメオネ […]

  2. 名将VS智将!!欧州サッカー批評(10)レビュー | FCクロコダイル
    2015年3月31日 at 9:08 AM 返信

    […] アトレティコで名将としての地位を確立したディエゴ・シメオネ […]