最近、サッカー界でマルティン・ウーデゴール(ウーデゴー)という名の少年の名前をよく聞くようになったのではないでしょうか。1998年12月17日生まれの現在16歳の少年はノルウェー1部リーグのスレームスゴトセトIFからスペインのレアル・マドリードに6年契約で移籍し、サッカー界にセンセーションを巻き起こしました。
下部組織で才能を見出され、若くしてヨーロッパのクラブと契約する選手は近年増えてきている中でもウーデゴールの来歴は少し特殊な例でしょう。なぜなら2014年8月19日、ウーデゴールは15歳と253日という若さでノルウェー代表のA代表に選出され、UAE代表との親善試合で年齢に因んだ背番号15を背に、ホームバイキング・スタディオンのピッチ立ちました。
その後EURO2016予選で代表メンバー入り果たしブルガリア戦で途中出場と、ノルウェーのA代表の一員として戦い、代表でのキャップも着実に積み重ねていくであろうその少年は、クラブ、代表と確実な戦力とみなされている世界でも稀な例です。
ベールに包まれている才能
レアル・マドリードの移籍に伴い比較されるのはリオルネ・メッシ(FCバルセロナ)やクリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)。はたまた16歳でバルセロナでデビューしたボージャン・クルキッチ(ストーク・シティ)など様々です。
全くプレースタイルの異なるプレーヤーとプレースタイルが比較される理由は、UEFAが定める各国クラブのカントリーランキングが25位(2015年現在)と、ヨーロッパの中では決して高くなく、注目度が低いこともあり、世界のインターネットサイトや動画投稿サイトなどではノルウェーのクラブのプレーヤーの一人とし情報が少なすぎることが原因でしょう。
「妖精」とも評されるプレースタイル
レアル・マドリードというメガクラブに移籍し情報源が増えてきた今、16歳のあどけない少年が魅せるプレーを観れる機会が増えてきました。
レフティーで左右のウイングやセカンドトップを主戦場にする姿は軽やかなカモシカのよう。デフェンスに囲まれれば一つフェイントを入れて回避する。クラブではボールを持ちすぎるプレーが目立つが、時に見せるノールックで相手の意表をつくダイレクトパスは敵を混乱させる。クラブ、代表ではCKや遠目からのセットプレーを任されるほどの正確無比な左足からは決定的なラストパスを出せるチャンスメーカー。
様々ななプレーヤーと憶測で比較されてきましたが、ネイマールのようなボールの扱いを彷彿とさせます。そして可憐な金髪の少年から醸し出される雰囲気は妖精(ピクシー)と称されたドラガン・ストイコビッチ(元名古屋グランパスエイト)のように美しくしなやかです。
ウーデゴールの今後のキャリアは?
レアル・マドリードでのメディカルチェックをパスし会見に臨んだウーデゴールは謙虚に話します。
「僕の目標はできる限り最高の選手になること。ファーストチームでプレーするか、リザーブチームかは重要ではない。このクラブが優れたリザーブチームを持ち、かつての世界最高選手が監督を務めていることがアドバンテージなんだ」と。
当面はレアル・マドリード・カスティージャ(Bチーム/スペイン3部リーグ)でジネディーヌ・ジダン(元フランス代表)の指導を受け、来季に向けたプレシーズンキャンプでファーストチームとの練習に参加し、今後のキャリアを見極めていく方針です。
ヨーロッパやアフリカから若くして才能を見出され、注目され、だがその芽が開かないままキャリアを終える選手は後を絶ちません。しかしノルウェーの期待一身に背負う少年は間違いなく、近い将来エスタディ・サンティアゴ・ベルナベウで妖精のような繊細プレーで世界中のサッカーファンを魅了することでしょう。
画像・動画参照元:MARTIN ØDEGAARD | Goals, Skills, Assists | Strømsgodset | 2014 (HD)/ScoutNationHD /Youtubeより
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