Jリーグの移籍市場ではFC東京がシャビ・エルナンデス獲得に動いているのではという噂がありました。また昨シーズンはセレッソ大阪にディエゴ・フォルラン(以下、フォルラン)が加入し大きな話題になっています。そこで、ここ数年アジアのクラブに移籍している世界のビッグネームとその顛末について見ていきましょう。
中国にドログバ、アネルカ・・・
近年でアジアに来たビッグネームと言えば、中国スーパーリーグの上海申花FC(以下、上海申花)に加入したコートジボワールの英雄とも言うべきディディエ・ドログバ(以下、ドログバ)と元フランス代表のニコラ・アネルカ(以下、アネルカ)ではないでしょうか。ドログバはチェルシーで二度プレミアリーグ得点王に輝くなど世界を代表する選手であります。そして、アネルカもまたチェルシーなど活躍したストライカーです。
そんな彼らは、ともに2012年シーズンに上海申花へ移籍したもののあっさりと中国を去ることになりました。先に上海申花の一員となったアネルカは22試合、後から加入したドログバに至っては僅か11試合の出場に留まり契約満了を待たず5ヶ月の在籍期間でした。
その原因が給料の未払いだったと言われています。高額の年俸で加入したものの給料は十分に支払われず、他の国へと移籍することになりました。また、給料未払いは上海申花に限らず、ドイツ・ドルトムントから広州恒大へ移籍したルーカス・バリオスもそのトラブルに見舞われた1人です。このように、中国へ渡ったビッグネームたちは“チャイナリスク”の被害者となり、再び新天地を求める結果となりました。
中国の次はインドリーグ
アネルカが現在在籍しているのはインドのクラブ、ムンバイ・シティFCです。このクラブがあるのは、2014年10月に開幕したばかりのインディアン・スーパーリーグで、たった3ヶ月の開催期間という特殊さがありその大会概要から興行性の強さが感じられます。また、アネルカだけでなく、あのデル・ピエロやリュングベリ、ネスタ、トレセゲ、ピレスといったスター選手たちが勢ぞろいしている夢のようなリーグであります。
かつてJリーグ黎明期には、ジーコやリネカー、リトバルスキー、スキラッチ、ブッフバルト、マッサーロ、ドゥンガといった往年の世界的スター選手が各クラブにいましたが、インドでは今まさにそのような状態が始まっているのでしょう。
近年のJリーグでは
フォルランのセレッソ大阪加入は、国内でも久々のビッグネームであったため、メディアがこぞって話題に取り上げ、シーズン開幕前の順位予想ではセレッソを上位に入れていた方も多くいました。しかし、昨シーズンのセレッソはまさかのJ2降格という誰しもが予測できないものとなってしまいました。フォルラン自身も決定機を外すなど本来の力を発揮できず、リーグ終盤はベンチ外になることもありました。
また、数年前にはプレミアリーグ・アーセナルで活躍していた元スウェーデン代表リュングベリが清水エスパルスに在籍していましたが、怪我に悩まされ思うような結果を残せず退団するという形に終わり、折角スター選手を獲得してもチームにフィットせず、あるいは、コンディション面の都合でうまくいかない場合が多くあります。
近年、アジアのクラブにもビッグネームと呼ばれる選手たちが移籍してきていますが、ハッピーエンドを迎えた選手はいないのが現状です。クラブ内の金銭トラブルはもちろんのこと、戦術面でも彼らを迎い入れるにふさわしいクラブがアジアで出てくることが、アジアのサッカー発展のために今後必要になってくるでしょう。
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